イラストスクール PALETTE CLUB SCHOOL

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第一線で活躍するプロフェッショナルが直接指導にあたるイラストスクールです。
cool 活躍中の卒業生に聞いたパレットクラブの魅力

2009年度版

信濃八太郎さん 4期、5期イラストコース
しなの・はったろう…1974年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科舞台装置コース卒業。最近はダンスの舞台美術でアニメーションを作る。雑誌、書籍、広告などでも活躍中。
http://www.shinanohattaro.com/ ----------

●パレットクラブに通うきっかけ

日大の演劇学科の舞台美術コースに通ったけど、すぐに挫折してこの世界ではやっていけないなと思ったときに、大学の安西水丸ゼミに出るようになりました。卒業して社会に出たら、仕事が忙しくなってストレスになっていたところ、パレットの広告を見て、うちの近所で面白いことがあるんだーと思って見学に行きました。
深い考えがあって行ったわけでもなく、水丸先生によく褒めてもらっていて、また仕事の合間にそんな感じをまた味わえたらいいなって。授業では全然褒めてもらえなかったんだけど(笑)。子供の時から絵を描くのが好きで、クラスで上手い人と扱われ、そのまま勘違いしてました。
見るのは好きだったけど、自分がイラストレーターになりたいとは思っていなかった。でも通ってすぐに、イラストレーターとして仕事ができたらいいなって思うようになりました。

●パレットクラブに通って

まずロケーションがいいですね。見学に行ったのが夜で、人気もなくて、オレンジの光があって、扉を開けるとバーがあって、秘密のアトリエみたいなところで、授業が受けられるのがうれしかった。聴講ができるのもよかったし、コース外の友達もたくさんできて、今でも付き合いがあります。 家も近かったので、よく聴講にも行っていました。当時、25、26才で、人の言葉に飢えていたから、たくさんいろんな人の話を聞けるのが楽しかったです。最初の期が終わったときにもう少しつっこんで勉強してみたいなと思っていて、もう1期通うことになりました。

●授業

原田治先生の最初の授業で、出版界の現実の話、成り立つイラストレーションについて話を聞いて、落ち込んだりもしました。でも、ただ絵を描いて楽しいのではなく、それを続けていくにはどうしたらよいかを考えるきっかけになりました。

水丸さんの授業では、講評するときに、絵だけでなく、名前をそれぞれ呼んで、どういう人かを確認してから講評を始めていました。どういう人が絵を描いているのか見るために。人間の魅力があって、その人の絵があるんだなと知りましたね。

●最初の仕事

婦人之友社の雑誌のカットが最初の仕事ですね。それと、知人の紹介で、ベネッセの教育用の小さなカットを2年間やっていました。当時、自由学園明日館の修理工事の事務仕事を6年弱していました。その後に2年だけ、絵だけで食べていました。2年間カットの仕事ばかり描き続けていて、充実感もあったけど、なんとなく自分の絵を真似するように感じていた時期でした。それでファイルを作って売り込みに行こうかと思っていたときに、水丸さんにファイルを見せたら、「こんな絵を描くんじゃダメだな」と言われ、目が覚めました。 今までの仕事をするのがいやになっていたら、自然に仕事が減って来た時期があったので、絵の仕事はすべて辞めて、ペーターズギャラリー、パレットクラブでも働きだしました。ギャラリーで働いていると毎週作家さんがいらっしゃいます。その方たちと話をしているうちに、自分の絵に対しても客観的に見られるようになって、自分の好きな絵を描こうと思うようになりました。半年くらい描かなかったんだけど、また落書き気分で描くようになり、絵がたまったので、2005年の9月に個展をしてから、仕事をもらうようになりました。

●仕事

雑誌「GQ」、「野生時代」、ヤマハ音楽教室の広告などをやらせてもらいました。「CasaBRUTUS」では絵を紹介してもらいました。「カクテルのホントのうんちく話」(柴田書店)の表紙、中のカットなども手がけました。
今描いているのは、手描きで描いて、パソコンに取り込んでいます。展覧会のときは、シルクで刷ったりもします。構図を決めると描けないから、後からパソコン上で構図を考えたりしますね。
作品はモノクロが多いです。モノクロにこだわっているわけではないんですが、線画が好きで、いい絵を描きたいと思って線画ばかり描いていたら、仕事をするようになって。

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GQはカラーの依頼だったので、描いてみたら楽しかったので、もう少しカラーで描いてみたいなと思います。
最近は自分の絵を取り込んで、簡単な動画みたいなものを作るのにハマってまして、ダンスの人たちの舞台美術としてアニメーションを作ったりしています。自分の好きな曲に絵をつけたら楽しいかなと思って。子供のころに作ったパラパラマンガの感動を再び、みたいな感じで楽しくって、友達に見せたりしたのが始まりです。一昨年の5月にはウクライナのダンスフェスティバルに出展。ウクライナの人たちの前で発表してきました。韓国、アメリカ、スウェーデンなど、各国のダンスの人たちが参加しているイベントです。その後、エッセイストのパーティーやパーカッション、ヘアスタイリストのイベントでも上演しました。これからは、映像の仕事をやってみたいです。自分でストーリーを考えて、アニメーションを作ってみたい。今までイラストレーションがそんなに関わっていなかったところで仕事をしたいんです。イラストレーションの裾野を広げていけたらいいなって思っています。

●影響を受けた人

長新太さん、和田誠さん、安西水丸さんです。「NEW YORKER」のカット集、カバー集。そればっかり飽きずに毎日見ていました。ベンシャーン、スタインバーグ、サンペも好きですね。

●パレットのスタッフとして

いつも後ろから眺めていて思うのは、早いうちから飲みに行ったり、仲良くなっちゃったほうが絶対1年が楽しくなる。そういう繋がりができるのが教室の魅力でもある。みんな自分の絵を見せにきているわけだけど、他人の絵にももっと興味を持って、どんどん話すとクラスの雰囲気もよくなって、仲良くなったクラスはレベルも上がってくると思います。

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霜田あゆ美さん 2期、3期イラストコース
しもだ・あゆみ…横浜生まれ。07年HBファイルコンペ日下潤一賞。刺繍、貼り絵、版画など色々な手法を使ったイラストで多方面で活躍中。
http://www.h7.dion.ne.jp/~simone/ ----------

●パレットクラブに通うきっかけ

子供の頃は絵が好きだったんですが、美術系の学校には進みませんでした。でもイラストを見るのは好きでした。
短大卒業後は画材店に勤めたのですが、8年くらいした頃、友だちが欲しいなあと思って安西水丸さんのイラスト塾に通いました。もうすぐ30歳になるというあせりもあって。そこでゲストで来たデザイナーさんに、「美大生などのたくさん絵を描いた人にはかなわない」と言われ、学校に行きたいなあとおもいました。見学に来て、築地の場外市場にあるのが気に入ってパレットに通うことに。父が魚屋なので親しみが湧いたんです。

●パレットクラブに通って

色々な先生がいて、コメントも先生によって違うから、戸惑ったり落ち込んだりもしたけど、新しいイラストを描く環境が楽しかったです。気になる絵の人には声をかけて友だちになって、帰りに絵について色々と言い合ったり。でも、イラストレーターになれるのかなあって感じで意識は低かったです。そんなときにHBギャラリーのファイルコンペで藤枝リュウジ特別賞を受賞してしまい、実力もないのに賞をもらってどうしようと思って、鍛えなくては!ともう1年通うことにしました。2年目は楽しいだけでなかったけど、自分の絵を冷静に見られました。同級生が違うから、飽きることはなかったですね。すでに仕事をしていて、ステップアップしたくて来ている人もいたから、刺激にもなりました。

●授業

河村要助さんの風景という課題の授業。「コタツの上で描いているようだね」と言われて自分でもアッと思い、へこみました。イラストレーターになりたいという強い思いがなくて、それを見透かされた気がしました。自分は甘いなあと。それからは、色んなイラストレーターの仕事をたくさん見て、意識が変わりました。

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森本美由紀さんが、誰かの質問に「安定した収入を求めるならやめといたらー。
イラストレーターは波があるからそういうのも楽しめないとしんどいと思うよ」とさらっと言われました。そういうことは考えてなかったから、覚悟しとかなくちゃいけないなって思いましたね。絵のスタイルが違うヒロ杉山さんに「面白いよ」と言われたときには驚きました。先生方は自分と違う感じの絵でも、ちゃんと見えているんだなあと思いました。

●仕事を始めて役立ったこと

打たれ強くなりました。自分の絵をたくさんの先生方に見てもらって、色々言われたことが身に付いてるんですね。ときには、何回もラフを出したり、ダメ出しされたりと悪戦苦闘する仕事があります。そういうときに、乗り越えていく筋肉みたいなものが鍛えられていたんだと思います。
自分の絵を講評されるなんて、心臓がバクバクしていたけど、世の中に出ていったら、たくさんの人が見るのだからそんなことでは仕事にならない。パレットの授業でちゃんと筋トレができていたんですね。
パレットに通っている頃から、常に新しい自分の描き方を探していて、ファイルに毎回同じ絵は入れないで、1枚、2枚でも新しい絵を入れて、講評してもらいました。常に探している。それが今も続いていて、貼り絵、切り絵、刺繍、版画など色々挑戦しています。紙版画とかやってみたいなと思ったら、すぐにやってみる。そういうのが癖になっているんです。なんでも試してみればいい。仕事をすると「このタッチで」と言われるけれど、学校にいる間は自分のスタイルはどんどん変えていっていいと思います。そうやって、自分を探す時期なんじゃないかと思います。

●仕事

チキンラーメンの雑誌広告を3月まで1年間担当しています。他にはオレンジページ、ベネッセなど子供向けのカットも多いです。ほんとは毒があるのに、赤ちゃんやほんわかファミリーの依頼があるんです(笑)。
個展に見に来てくださったのが縁で、夏石鈴子さんの装丁やエッセイの挿し絵も手がけました。いろんなところで、縁はすごく感じますね。有り難いです。色々なタッチがありますが、増やしていこうというつもりはなくて、いろいろと探しているうちに、こうなりました。ほんとは鉛筆1本でいい絵が描けたらいいんですけどね。違う手法をやることで、また線画に戻ったときに影響があればいいなと思っています。

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イラストレーターはたくさんいるから、その中で自分がどういう絵を描いていったらいいのか、常に考えています。

●最初の仕事

最初は臆病で友だちに「ダヴィンチ」編集部へ営業に連れて行ってもらいました。そこで扉絵の仕事を頂いたのが最初です。その後はちゃんと1人で持ち込みに行かれるようになりました(笑)1年目は営業成績がよかったのですが、だんだん依頼がなくなってきて、落ち込んでいたときに、HBギャラリーで個展をしました。それがきっかけになって、絵が変わったとおもうし、見に来てくださった方から仕事の依頼があって、なんとか浮き上がった感じですね。あの個展をやらなかったらダメでした。
パレットに2年通った後は、スタッフとして1年働きました。 その後、アルバイトをしながらイラストの仕事を続けてきましたが2年前に辞めて、今はイラストの仕事だけで生活しています。

●影響を受けた人

中野翠さん。19才のときにコラムを読んで以来ずっと影響を受けています。映画や本や落語や…。辛口なところも好きです。あと、グランマ・モーゼス、斉藤けさ江さん。2人とも70才から絵を描き始めた人です。とてもいい絵をたくさん描いていて、すごく励まされます。こういうおばあちゃんたちもいるからあせらない。ちょっとくらい仕事がこなくてもあせらない!って。

●生徒さんへのアドバイス

アドバイスを聞いて自分の絵を変えていくというのは、大事なことだと思います。自分というものを持っているべきなんだけど、固執しないで試していったほうがいい。他の人へのアドバイスも必ず自分にあてはまることだから、ちゃんと無駄なく聞いたほうがいいですね。
イラストレーターの仕事は、本屋さんに行けばたくさん見られるし、どんなイラストが求められているか、すごく勉強になるとおもいます。出版だけがイラストの仕事ではないけれど。本も読んだほうがいいですね。イラスト以外にも色々なことに興味を持ったほうがいいと思います。意外なものにヒントがあると思うから。

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吉岡ゆうこさん 1期、2期、3期イラストコース

よしおか・ゆうこ…東京武蔵野生まれ、武蔵野育ち。女性誌、広告、書籍、企業PR誌、WEBサイトなどで活動中。
http://www.atelier-fabrique.jp/ ----------

●パレットクラブに通うきっかけ

小さい頃から絵が大好きで、絵ばかり描いていました。絵だけ描いていれば満足で、小さい頃の夢は漫画家か絵描きさん。中学生のときに漫画家になりたくて、集英社に投稿したりしていたけど、高校生でやっぱり無理かもと。大学に入って、舞台美術を学ぶけど、立体は向いてないからと就職していなかったときに、友達の話で、イラストレーターの道があることに気づきました。学校に行ってイラストレーターになろうと思ったときに、「イラストレーション」で広告を見て、先生も豪華で、当時は審査があって合格できたので、通うことにしました。

●パレットクラブに通って

1年目は、美術大学に行ったとはいえ、何年も絵を描いてなかったから、1から始める感じで全然分からなくて、手探りの状態。課題もあんまりやらなくて、まじめではなかったです。でも2年、3年目は、イラストの方向性が見えてきて、充実してきました。先生に褒められると図に乗って描いていって、必然的にうまくなるから、自分でいい方向に向いてきたと思います。1年目だとまだ足りないし、2年目だといい時に向かっているときに断ち切られるのがいやで、3年通いました。
褒められるだけでなく、厳しい意見も言われて、万人に好かれるのはありえないから、褒められる言葉だけを聞いてればいいかと。3年目から河村ふうこさん、毛利みきさん、宮本和沙さんと仲良くなって、友達関係も充実して。みんなすごく素敵な絵を描くし、すごく刺激されるし、また刺激を受けて、自分の絵もどうにかしようと思うし。段階を踏んで行って、1年じゃ物足りないし、3年間通ってよかったです。3年目になるとイラストにこなれてきて、友達のイラストもどんどんよくなってくるとあせりを感じて、自分もよくしようとするからすごくいい刺激になりました。友達の存在はとても大きかったです。

●授業

上田三根子さんの授業では、自分の原稿を持ってきて、その場で描いてくれて、どのようにマーカを使えばよいかなどが分かりました。寺井剛敏さんは当時、広告代理店の方だったし、印象で言わないで、指摘も的確。使う人側の意見を言ってもらえるから、参考になりました。そして、著作権やギャラのことなどとても実務的な話をしてくださいました。絵を描くだけじゃなくて、実際に絵を頼まれたときに、

こういうことに気をつければよいのが分かりました。
原田治先生は、「イラストレーションはアートでなくて商業だから、自分独りよがりのイラストを描いてもあまりよくないよ。無理に明るくしなくてもいいけど、商業ベースにのっているのだから、わきまえないと」とアドバイスしてくれました。クライアント、編集者の意見もふまえないとダメなんだなって知りました。これから仕事をしていく上ですごくためになりましたね。授業中にメモしたパレットノート、今だに見返して、まだ参考にしているときがあります。

●最初の仕事

パレットで1期の後に卒展があって、それに向けて自分たちの手作りの作品ファイルを作りました。デザイン事務所や出版社に送ったのですが、卒展の後にオレンジページの方から連絡があって、協力したお店リストの女の子の小さいカットを描きました。当時、同級生の大塚沙織さんが大抜擢されて、ドカーンと出ちゃったから、すごい憧れで、いいなー彼女みたいになりたいと思ってました。仕事をしたら、雑誌はすごい出版数だから、他の出版社の方が見て仕事をもらったりしましたね。
パレットに通っているときは、フリー絵コンテ屋さんのバイトを始めて5、6年続けました。徐々にイラストの仕事も増えてきて、絵コンテ屋さんを平行していくのが無理なので、辞めることにしました。でもその年は収入が激減して、完全にイラストレーターだけに移行したときはきつかったですね。
今年でイラストレーターとして、10年目。何とかやってこれました。10年続けられたら、なんかいいかな。 いきなりイラストレーターになれるのは、ごく一部。最初は小さいカットから始めて、だんだん中くらいのサイズのカットになっていきました。

●仕事

書籍のカバー、会社の会報誌の表紙、東急百貨店、新しくオープンする複合施設、不動産などの広告、WEBサイトなどをやらせてもらいました。イギリスの本のカバーもやりましたね。HPを開設してから、世界中の人が見ているので、これからの人は英語ができるといいと思います。
これからやってみたいのは、絶対にしたいのはCM!動画でアニメーションの形で参加したいな。

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あと、すごい映画が好きだから、絶対!映画の広告のポスターを描きたいです。

●影響を受けた人

映画だと「グランブルー」ですね。ほかにはフランスのイラストレーター、KIRAZ。今も現役で、昔は「PLAY BOY」で描いていました。パリの停留所の大きなポスターを見て知りました。映画の場面を切り取った、ユーモアも交えて、流れの一場面を切り取ったようなイラストが描きたくて、すごく影響を受けましたね。上杉忠弘さん、メグホソキさん、長崎訓子さんからも影響を受けました。

●パレットクラブの講師を経験して

1回目の時は無我夢中でしたが、前回の3回目のときは少し慣れてきました。人の絵を講評するのは、難しいことでもあるんだけど、自分の絵も見直しているんだなって思いました。自分も生徒だったから、生徒の気持ちも分かるし、褒めるだけでなく、直したほうがいいと伝えなきゃいけないこともある。指摘するというよりも、悩んでいたら、一緒にそのことを解決していこうよ、という気持ちで教えています。厳しく言われて、これはよくないアドバイスだと思ったら、つき放してもよいし、自分の気持ち次第で、自分にとってためになるアドバイスだけを拾ってくれればいいのかなと思っています。教わった生徒の立場から言うと、自分では納得できない意見を言われても、悩むべきだけど、深く考えず、適当に受け流したときがいいときもあると思いますよ。

●生徒さんへのアドバイス

厳しいことを時には言われるかもしれないけど、イラストレーターになりたい気持ちがあれば、すべては自分のためだと思って、目標を立てて頑張ってほしい。最初に立てた目標は最後までやってほしい。強い気持ちがないと絶対実現できない。パレットでは学生だけど、受け身の立場だけでなく攻めていかないと。積極的に授業に参加してほしいですね。そして、独りよがりはよくないから、イラストだけでなく、いろんな作品を見て、絵画から日本画、デザイン書などイラスト以外のたくさんいいものを見れば自分の引き出しにもなると思います。

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