活躍中の卒業生に聞いたパレットクラブの魅力

杉山真依子

17期イラストコース、19期イラスト卒業生コース卒業

すぎやま・まいこ…美大卒業後、雑貨メーカーにてデザイナーとして働いた後、イラストレーターに。雑誌、書籍、パッケージイラストなどで活躍中。
https://msugiyama.tumblr.com

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●パレットクラブを選んだきっかけ

イラストレーターになるぞ!という強い気持ちがあったというよりは、デザイナーとして働く中で絵を描く仕事もあったため、自分なりのタッチを持っていれば武器を増やせるかと思い受講しました。他にもイラストスクールはありますが、パレットクラブはイラストレーターだけでなく編集者やデザイナーの先生がいたりと様々な角度から意見をいただけそうなところに魅力を感じました。あと夏休みがあったので(笑)

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『すべてを手に入れたってしあわせなわけじゃない』
著/鈴木涼美(マガジンハウス)

●パレットクラブに通って

働きながら課題に向き合うのは思った以上に大変でうまくいかないことも多々ありましたが、継続的に描く習慣がついたことはよかったです。卒業時には、一年かけていっぱいになったファイルを見て達成感を感じました。多くの先生からいただいた「楽しんで描いたものは伝わる」という言葉は、仕事を始めてからも実感するので、自分の好きなことや楽しめるポイントをうまくいれながら描くように心がけています。また、同期の友人とは仕事を始めてからもお互い悩みを相談し合あったりと支えになっています。

●授業

いとう瞳さんに「タッチとモチーフが近すぎるのでは」とアドバイスされたことがきっかけで、「どう描くか」もですが「何を描くか」も同じくらい重視するようなりました。それが現在の描き方にも繋がっています。卒業生コースでは、描いた絵を使って菊地敦己さんがデザインを組んでくださるという贅沢な授業があり印象に残っています。憧れだった本のカバーに落とし込んでいただき感動しました。

●最初の仕事

2017年の初個展でチョイスに応募してみてはとアドバイスをいただき、直後に入選して審査員の方からそのまま文庫本の装画のお仕事をいただきました。
上下巻のお仕事で、下巻のラフを提出したときに「掴んできましたね!」と言っていただけたのが嬉しかったです。

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チーズスイーツブランドnow on Cheese♪
メインビジュアル

●最近の仕事

装画やお菓子のパッケージ、イベントのビジュアルなどを描かせていただいています。ご依頼のほとんどが人を描く仕事なので、パレットクラブでも「人を描く仕事は多いので描けるように」と教えていただいたことをよく思い出します。他にもイベントなどに出展しながら、やってみたかった表現を実験してみたりと試行錯誤しながら活動しています。

●イラストレーターになって

「表紙やパッケージが気に入ったので買いました」という言葉をいただけたときは、仕事ができたんだとホッとします。ほとんど手描きなので、タイトな締め切りや時間のかかる作業があると大変ですが、クライアントにはイラストによってクリアしたい課題があるから、自分に依頼していただいていると思うと、そのために頑張ろうという気持ちになります。

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『私を美しく変えるクローゼットのつくり方』
著/ジェニファー・バウムガートナー(草思社)

●これからやってみたい仕事

装画への憧れが昔から強かったのでこれからも挑戦してみたいです。女性を描く仕事が多いですが、モノを描くのも好きなので研究してもっとお仕事にできたらいいなと思います。あとは将棋と映画が大好きなので関連するお仕事も夢のひとつです。

●影響を受けた作家

50~60年代くらいの日本の広告のグラフィックが好きで影響を受けています。また、ファンシー雑貨にずっと関わってきたので、日本的なポップさやキッチュな感じも好きでよく取り入れています。パレットクラブの先生では100%ORANGEさん。多様なタッチをお持ちなのにどれを見ても一瞬で認識できる作家性にとても憧れます。

●生徒さんへのアドバイス

「タッチの変化を恐れないで」という言葉を今でもよく思い出します。とにかくたくさんの先生に絵を見ていただける機会なので、その時のスタイルにとらわれず、どんどん意見をもらって実験してみると発見があると思います。憧れの先生はもちろん、刺激的なクラスメイトや優しいスタッフさんにも出会えると思うので、楽しんで素敵な一年間にしてください。

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『GINZA』
劇団雌猫 連載イラスト(マガジンハウス)